喝采を | IWGB

喝采を

2014.09.05.Fri.23:16
プレイしていた「できない私が、くり返す」をクリアしました。
(前回プレイ分の感想はコチラ

3つめの未喜√は時計の使いどころが、
主人公やヒロインのためでないところが良かったですね。
至って平和な個別だったので
まずこれからやるべきだったんだろうなぁ、という印象w
藍里のインパクトが大きすぎましたけど、
未喜自身もなかなか可愛かったです。

で、真打ちの詩乃√。
予想はしてましたけど、他の3√がすべて前座として霞んでしまうレベル。
あくまでこの作品はこのルートのためだけにある、って印象。

それでいて。

詩乃より漣さんのほうが存在感あるなぁ、とw
詩乃自身にリンゴ好き、お礼アレルギーという特徴はありますが
ソレがイマイチ浮いててメインの割にキャラ付けに薄いなぁ、と。
逆に漣さんはロリ体系は抜きにしても「大人の女性」と「少女」の二面性を持っている、
というキャラ設定にズバっとハマってるキャラデザ。声と喋り方もハマってて。
なんとなく「車輪」の璃々子姉さんを彷彿とさせるなぁ、とか思ってたら。

クライマックス近くで押し寄せる最大の「後悔」。
その理由と自分が感じていた印象にも非常にナットク。

これまでの3ルートでの「後悔」は他人に向けたものだったのに対し
ここで初めて突きつけられた自身への後悔。
このインパクトはトリックを多用した作品のどんでん返しよりよっぽど来るなぁ、
って思いましたね。

キャラ付けに薄い、と思った詩乃のキャラがここで爆発する、
というのも上手かったと思います。

以下はネタバレを含んでくるので追記にまとめます。
.

そしてRe:Call編。
テーマとタイトルを考えたら当然なのかもしれませんが
このご時世にあえてその終わり方を選んだのは拍手もの。

その展開もナットクで言わんとしてることもよくわかったのですが、
物足りなく思ったところもありまして。

OPムービーラストでの字幕「後悔している、すべての人へ」というメッセージ。

そう言うにはラストで言っているコトにちと詰めの甘さを感じます。
正直もう一歩突っ込んで欲しかった。

「後悔しないように」なんて事は時計が有るから言えるワケで。
これから起こる未来を知っていたから後悔を1つでもなくすことができたワケで。

結果が同じでも過程を変えれば未来は変わったとする陸。
また過去に戻ることも含めてそれすらも前から決まっていたとする漣。
両者の考え方の違い、そのどちらもが正解というところはわかるのですが。

でもラストシーンで陸が行き着いた結論は結局のところ
漣さんの焼き直しでしかなかったのが甘さを感じたところ。

陸と漣さんの決定的な違いはこの先わからない未来があること。
それならば、陸の結論にはそこからもう一歩欲しかった。
端的に言うなら
「過去の後悔をどう受け入れて未来へ進むのか」。
もう少し言い換えるなら
「変えようのない過去の事実・消し去れない後悔を受け入れ、
自分の中でその意味をどう変えていくのか」
知ってる未来の後悔じゃなくて、今ある後悔をどう受け入れ乗り越えていくのか、
ここまで来たならそこに触れて欲しかったですね。
じゃないと「後悔しているすべての人へ」にはならんでしょうと。

あとは先述のとおり、詩乃のお礼を言われ慣れないという設定は
どこか浮いて感じたんですが。
ただ、ラストで陸が詩乃にこれでもかとお礼を言ったシーン。
あれでふと思った事があって。

諦観がデフォの詩乃だから受け入れられないのかな、と思ってましたが
むしろその逆だったのかな、と。
お礼を言われると自らの最期を認めるように思えてしまうのかな、と。

近しい知人が亡くなって、そのダメージから抜けられない時、
その故人に対し心底「ありがとう」と思えたその瞬間がその死を吹っ切った時、
溜め込んでいた思いが消化or昇華出来た時、とは常々思ってましたけど
むしろ、それを言われるほうはソレはソレで微妙な思いもあるのかな、
なんて考えてしまいました。

まぁエロゲの感想でこんな言葉が出てくること自体が異常ですよねーw

個人的にプレイ前の期待値はかなり大きくて、
ソレはOPムービーのクオリティと深そうなテーマ、
それにループモノを思わせる壮大なストーリーを期待させてくれたからなんですが。

その期待からすると、正直だいぶ物足りないところはありました。
特に前座3つはだいぶ小さくまとまってますので。

ただ。

未来は変えられないとしながら、そんな3つの違う未来を提示していること。
その3つのうち2つは詩乃の死をあっさり乗り越えていること。
そこに意図を感じ取ろうとするなら。
その「変えられない未来」に自ら飛び込み立ち向かった陸、
どこまでも憧れの人であり続けた漣、
そして過酷な運命を受け入れつつ、素直であり続けた詩乃。

その生き様に拍手を送りたいと思いました。
前に「ハロレ」のラストで違和感を感じたと言った言葉。
「喝采を」
ここでこそ使いたい言葉だと思いましたね。

あと、触れておきたいのは主題歌の「Re:Call」。
OPムービーではその世界観の広がり方に惹き込まれ、
詩乃√のラストで掛かる時には激情と時の無情さを感じさせ
Re:Call編ラストで掛かる時には痛みとともに「生きていく」ことを思わされ。
同じ曲でここまで違う表現ができるのか、ということに感心させられました。
前座3つのルートでは別のED曲も用意しているというのに、
ここ、と言うときはすべて「Re:Call」で勝負していることにも喝采を送りたいですね。
というか一番喝采を送りたいのは同梱特典のサントラに「Re:Call」のフルが収録されていたことかもw

最後に絵について。
ワタシからするとブランドのエース絵師たる有葉さんは
るーすぼーい氏によって飼い殺しにされてるようにしか見えないんですw
しかし救世主が現れたw
秋空氏の絵はかなり惹き込まれますね。特に表情の描き分けが秀逸。
個人的にるーすぼーい作品で有葉さんの絵が映えて見えたのは
ヒロインが覚悟を決めた時と困ったように笑った時だったんですが。
今作の秋空氏もソレが非常に印象的。
漣さんの表情の変化はずっと見ていたくなるほど。
エロにかけては正直有葉さん以上の攻撃力かと。
きょぬーはもちろん、ちっぱいの漣さんや未喜でも相当な破壊力でしたわ。
これであかべぇの社内スタッフということですから、
次代のエースとして期待したいところ。

とえらく長くなったところで採点表投下。
dekinai.jpg
期待値85にあと一歩及ばなかったのは
勝手に期待していた壮大さには全然及ばなかったため。
ですが期待以上に深く刺さるモノがあったように思います。
Comment

管理者にだけ表示を許可する