前作時に期待した以上のものが来た | IWGB

前作時に期待した以上のものが来た

2017.06.02.Fri.23:39
先日終えてた「ニューリン」の感想を。

全般的に容量は少なめなんですが、
ライターが書きたいところがストレートに伝わってきて
お話的にもきっちりまとまっているので
かなりの完成度を感じました。

前作「キミユメ」ではかなりギャグに偏っていた比重も
今回はハートウォーミングな部分も強めに出して
だいぶストーリー性やキャラ同士のつながりも出てきたように思います。

また、前作ではギャグとキャラの濃さで勝負して
夢とかお話の根幹となる設定は放置気味だったように思えたのですが。

今作では、史実を元にしたニュートンを取り巻く人間関係、
という設定はキャラ作りやお話の根幹にまでしっかり作用してるので
ブレやコンセプト詐欺など一切無く、読んでて安心感がありました。

また、上手いと思ったのはラビの扱い。
この作品、分岐方法はワタシの嫌いな例のヤツです。
メインヒロインストーリーが本筋で、ソレ以外のヒロインは
順番にそこからドロップアウトしてくアレ。

ところがラビ√は終えるとまた本筋に戻るという仕様。
これは上手いっすね。
これならこの分岐方法のデメリットをほぼ消せます。

「はつゆきさくら」で某ヒロインのルートを
本編の一部に組み込んでしまう仕様も面白かったですが
このラビ√の仕様も上手いと思いましたね。

そして仕様面だけでなくラビというキャラにこれをやらせてるのが
また秀逸だな、と。
他のヒロインにやらせたらもっと悲壮感が出たと思うんですけどね。
彼女ならそこまでやっちゃうだろうな、というフリがあったので
すんなり受け入れられました。

それでいてラビだけ隠しを用意して、
後でしっかりフォローするとこも上手いなぁと。

ここで作中で誰もが感じるであろう疑問の解消と
1人だけハッピーエンドになれなかったラビの救済を
わずかな会話だけで成立させてるところは「お見事」の一言。

こう言ってはアレですが、ムリヤリギャグをヒネリ出して
それをつなげて作品を作った感のある「キミユメ」と違って
今回は設定からの広がりにまったくブレがなかったため
統一感と収束感が物凄くありました。

キャラ同士のつながりとラビへのフォローなど
ライター自身がこの世界観とキャラ達を
物凄く大事にしてる感じが凄く伝わって来るというか。

前作の採点記事のラストで、
仕様面の問題とシナリオが変わってくれば大化けするかも、
とは言いましたが想定以上の化け具合でした。

まぁあえて重箱の隅を突くなら、
序盤の入りがだいぶ強引に感じたのですが
ここは四五のキャラで持たせたかな、という印象。


絵の方では。
霜降氏の絵は個人的に前作からツボに来てたんですが
そこを控えめにしてわざわざ外注する辺り
勝負に出てるなぁという印象で。

やってみた感じ、当初は少し浮いてるかな、
と思ったぺれっと氏の絵柄もあまり違和感はなかったですし、
ベコ太郎氏と霜降氏の絵柄はもうパッと見から
かなり相性良かったように思えました。

塗りもベタ塗りではなく光源や凹凸、吐く息まで意識した
色使いがかなり印象的。
特に肌色の使い方は少しだけ昨年の「Re:LieF」っぽい
リアル入った感じで質感が良かったと思います。

そして。シナリオ・絵の両面でプラス評価でしたけど
個人的にこの作品で一番良いと思えたのは
前作同様やはり音でした。

前作に比べると楽曲数は減りましたが
OP曲のケルトっぽい曲調はかなり引き込まれますし
BGMのデキもそれに負けてないですし
中の人も含めて音は今年の作品の中でもかなり良かったと思います。

そんなところで採点表↓
newrin.jpg
あんだけ褒めたシナリオが8止まりなのは
まとまりと完成度の高さはかなりのものと感じても
各キャラの内面描写やヒロインが主人公に惹かれていくまでの流れに
物足りなさがあるからですね。

まぁ端的に言えば惚れてからのくっつくまでの流れ、
そしてくっついてからのいちゃラブ要素。
それにヒロイン同士の友情要素辺りが絡んでくれば
もう隙が無くなるな、と。

今作は緒乃氏の得意で好きな分野に
思う存分切り込んだ結果が大正解、ってコトだったと思うので
次作がホント大事になる気がします。

次作も今作のクオリティを保ちつつ、
↑の要素を絡ませることができれば
もうそこらの既存ブランドは軽く越えられちゃうと思いますね。

最大の試練になるとは思いますが、
今作の絵師のように次作でライター複数制、
ってのはしないで欲しいなぁとは勝手に思ってます。
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