あれこれ排してテーマを絞っているのはわかるんですが | IWGB

あれこれ排してテーマを絞っているのはわかるんですが

2014.07.14.Mon.01:45
プレイしていた「放課後の不適格者」を全部終えました。

いつもなら能書きたれた後に採点表を貼っているのですが
今回はのっけから貼ってしまいましょう。

houkago.jpg

これは感想がどうしてもネタバレを含んでしまうため、
未プレイの人への配慮のつもりです。
故に以下はそのおつもりで。
.

物語の冒頭も呆気にとられるくらい、
インパクトのあるモノではあるのですが。

ワタシ的に一番インパクトがあったのはむしろ絵。
シンプルというかかなり簡素化された線と
小さな目が特徴的に見えたのですが。
昨今の萌え描写を一切無視したその画風が第一印象に残りましたね。

原画の三九呂さんは、ラブパピでは普通にキャラデザされてましたから
今回の画風が特殊なほうだと思っています。
ただ、これはブランドにとってももちろんですが、
絵師さんにとってもかなり覚悟のいる挑戦だったように思います。

そして。絵に萌え要素がほとんどない中で、シナリオはもっとソレを排除した感じ。
死が迫る中で自身を保つことに精一杯で、
全然普通じゃなくても日常を続けようともがき続け
そんな特異な環境の中で生まれた絆や信頼関係。

そういった描写がとにかく強烈で、先述の画風。
あえてこうしたのがよく伝わってくる作品だったのは確かです。

ただね。

その自我が崩壊してしまうような設定があれこれ特殊すぎて
確かにインパクトはありましたけど、
かなり上滑りしている印象を持ったのも確かで。

まぁ平たく言えば基本部分からツッコミどころがありすぎでしたね。
おかげでお話の中身より、インパクトを狙おうとした意図そのもののほうが
ミエミエになっちゃってて、正直そこは最後まで馴染めなかったな、と。

ツッコミどころとしていくつか挙げるなら
「そもそもその姿・設定であることの意味は?」
「自傷行為ができないならペアでもグループでも作ってそこで殺し合えよ」
「とりあえず助かって、でも絶望することになって。
 しかしその状況でも日常を続けよう、と決めたのはなぜ?
 それは最終的にイツカを追い詰めることになるのは確かだよね?」

特に1つめはずっとその思いが拭えなかったですね。

朱門優氏の作品なんかでも同じことが言えますけど
「カッチリ伏線を作り込もうとしてるのはわかるんだけど、
ごめん、基本設定の時点でついてけない」
という典型的な滑り方だったようにワタシには思えました。

そしてそのついてけない部分を前提としてお話を進めてくので
どうしてもお話そのものが茶番劇に見えてしまうという悪循環。

それでも。
キャラの内面描写はとにかく光ってまして。
これもまた朱門氏の作品でも同じコトが言えると思うんですけどねw
各キャラの葛藤とそれがぶつかりあったことから
新たな関係が始まる一連の流れと各キャラの最期の姿。
各キャラそれぞれのポジションを上手く活かしていて
そこはグッと読み手を惹き込む力があったと思います。
非日常の中で見せた日常こそが普遍的なんだな、
それは一人で作るモノではないけど一人一人がそれを確かに持ってるんだな、
などあれこれ思わされるところがありました。


この辺りがたぶんこの作品のテーマだったと思えて
そこは間違いなく読み手に伝わってくる作品だったと思います。
それと個別の尺がかなり短いこともあって、
なんだかんだで終わりまでは一気に読めました。
これでラストで上記のツッコミどころのフォローができていれば良かったのですが。

しかしというかやはりというか。
終わってみればみたでツッコミどころ満載。

「ラスボスを操ってる存在がいるんでしょ?」
「連中の目的は時空を超えられる不適格者の確保でしょ?」
「それなら最低でも4人いるじゃない。なのに皆殺されてるとかなに?」
「というかイツカの第2形態のことも把握してるっぽいじゃん?」
「なんでその設定でクラスメイトを助けたら即ハッピーエンド?」

基本設定の時点で消化不良感がマジパない。
更に言うなら第2形態になってしまったイツカが
ヒロインの前で2度までも人の姿を取り戻すのは
かなりご都合的に見えちゃいますね。
それまでにクラスメイト達の姿を散々見せつけられてるワケですから。
特に1度目はそこまで瀕死の状態でもなさそうでしたし。
・・・ヒロインの自宅で療養できるレベルですし。
というかあの時に誘拐自体を阻止しろよwww


更にヒロイン2人をもう一回倒すことになるのは
もうライター側のSっ気しか感じられなくて
先述の「インパクトを狙った意図」すなわち「あざとさ」を投げつけられた感じで
正直これは不快でしたね。

おかげで最後までプレイしても全然カタルシスなんてなかった。
このテの作品は「リトバス」くらいにラストで爆発して欲しいところはあったのですが。

とまぁ、いつもよりだいぶ長文かつ、だいぶネガティヴな要素ばかりの
感想となりましたが。
良い部分、悪い部分、どちらもかなり目立った作品だったと思います。
これはこれでかなりの意欲作・挑戦作と言ってもいいのかな、と。

しかし、そんな作品を↑の採点表で満足度やサブパラの点数を付けてみると
ごくごく平均的な数字にしかならないのは往々にしてよくあることかとw
昨年の「ととの。」も同じような点数になると思いますしね。

あえて尖る作品は採点表であれこれ述べるより
ネガティヴな意見だろうがソレを正直にぶつけるほうが
まだ礼に則ってるような気がしちゃいますね。
次にまたこんな作品をプレイすることがあったら採点表はつけないことにします。
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